VMWare ESXi 5.0 – 仮想マシンの作成。

VMWare ESXi 5.0 で仮想マシンの作成手順を確認。

VMWare社製品を使用していればお馴染みの手順。

ESXiだからと言ってもESXi絡みの設定が増えるだけで、基本的にVMWare WorkstationやVM Ware Playerで仮想マシンを作成するケースと進め方は同じ。

不明な部分はvSphere Clientからでも見れるオンラインマニュアルが

インストール場所\VMware\Infrastructure\Virtual Infrastructure Client\Help\ja\VIC50\index.html

にあるので、こちらで調べれば有る程度の内容はわかるはず。

仮想マシンの作成(標準)

ESXi上に仮想マシンを作成するにはvSphere ClientからVMを作成するESXiにアクセス、該当サーバのインベントリを表示してその中にある「仮想マシン」タブをクリックする。

※仮想マシンの作成はvSphere Client上の色々なメニューから実行可能。

ここで右クリックするとメニューが表示される。

メニュー中の「新規仮想マシン」を選択すると

「新規仮想マシンの作成」が表示される。

Workstation等でも同じだけれど、ESXiでも仮想マシン作成時に「標準」と「カスタム」の2種類を選択することが出来る。

「標準」と「カスタム」の違いは基本的に無くて、「カスタム」選択時は設定内容が少し増える程度。後から変更可能な項目も多いので、殆どの場合は「標準」を選択すれば良い。

次に「名前と場所」の入力を求められる。

ここで言う名前とは仮想マシンの名称を指していて、基本的にその仮想マシンの用途等を入力すれば良い。例えばFreeBSD x64版なら「FreeBSD_x64」のような形にすれば良い。

また、ここで入力した名称がESXi側で仮想マシンを保持するためのディレクトリ名称に用いられる(データストアに設定した名称でディレクトリが作成される)為、漢字等の全角文字や記号は使用しないほうが無難だろう。

次に「ストレージ」の設定となる。

ストレージの設定は仮想マシンのデータをどのストレージ(データストア)に確保するかを指定する。

選択可能なストレージが一覧表示されるので、割り当てたいストレージを選択する。

次に仮想マシンに導入するOS(ゲストOS)の種類を設定する。

ESXi5.0では想定されるゲストOSとして3つのカテゴリがあって、それぞれ

  • Windows
  • Linux
  • その他

のようになっている。

注意しなければいけないのは、適当に選んでしまってはいけないと言う事だ。

仮想マシンの設定もこの情報によって最適化される(らしい)し、VMWare Tools等はこの情報を見て導入に適切なものを判断する。

以前、同僚氏がWorkstationでWindowsをインストールした仮想マシンにToolsが導入できないと大騒ぎした事があったけれど、ゲストOSをLinuxにしていたためにWindows用のToolsがマウントされない事が原因だった。もっとも、この項目も後から修正することが可能なのであまり神経質にならなくても大丈夫。

# つーかWindowsをインストールするのに、何でLinuxを選択するんだかorz。

Linuxでもインストール予定のディストリビューションが選択肢にない場合はカーネルのバージョンやアーキテクチャ(x86/x64)に合わせて選択すれば良いし、FreeBSDやOS Xは「その他」のカテゴリに存在する。

# 最近はOS Xもゲストに出来るんだねぇ。

次に「ネットワーク」の設定を行う。

ここでは仮想マシンが使用するネットワークアダプタを選択する。ESXi側で複数のネットワークアダプタを使用している場合は、「NICを幾つ接続しますか?」の項目で、使用したいネットワークアダプタの数を変更する。

変更した数によって「ネットワーク」の項目が追加され編集する事が可能となる。

アダプタの項目はゲストOSによって選択肢が変わるらしいが、通常は「E1000(Intel 82545EM ギガビット イーサネット NIC のエミュレート)」で問題ない。

詳細についてはオンラインヘルプの

vSphere Clientインストール場所\VMware\Infrastructure\Virtual Infrastructure Client\Help\ja\VIC50\wwhelp\wwhimpl\js\html\wwhelp.htm#href=GUID-0EC39590-CA98-4828-A242-B08F8DB2BB42.html

を参照。

次に仮想マシンが使用するHDDについて設定する。

この時、領域の確保方法として3つの方法が選択できる。

  • シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)
  • シックプロビジョニング(Eager Zeroed)
  • シンプロビジョニング

このうち「シックプロビジョニング」については、指定された容量分を予め領域を確保する方式、「シンプロビジョニング」は必要となった時点で領域を確保していくという方式となる。

シンプロビジョニングを指定すると、例えば仮想ディスクサイズを30GBと指定しても、仮想マシンを作成した時点で30GBの領域が確保されるわけではなく、必要になった時点で必要な領域が追加確保されていくと言う形。

つまり、ゲスト側から見れば30GBのディスクとして見ることが出来るけれど、ESXi上で実際に確保されている領域は使用した分だけ。

例えば、OSをインストールして3GBしか使っていなければ確保されている領域は3GBで、残りの27GBは必要になった時点で順次確保されていく。

但し、使わなくなった領域が出ても開放されることはないし、設定した容量を超えて領域が確保される訳でもない。

シックプロビジョニングにも2方式あって、

  • Lazy Zeroed
    予め指定容量分の領域を確保しておくけれど、領域の初期化はその領域を使用する時点で行われる。
    イメージとしてはLazy ZeroedはWindowsのクイックフォーマットのように捕らえれば良いかと思う。
  • Eager Zeroed
    容量分の領域を確保し、その際に全領域をZeroクリアする。

どれを選択すればベストなのかは一概には言えないけれど、個人的にはシックプロビジョニング(Eager Zeroed)にしておけば間違いはないと思う。

全ての設定が終わると新規仮想マシンの設定内容が表示される。内容を確認してOKであれば「終了」ボタンをクリックすれば仮想マシンの作成は終了となる。

この時「完了前に仮想マシンの設定を編集」にチェックを入れておくと「仮想マシンのプロパティ」が表示され、仮想マシンの編集を行う事が出来る。

仮想マシンの作成(カスタム)

カスタムで仮想マシンを作る際の標準との差異を見てみる。

仮想マシンのバージョン。

ESXiに限らずVMWare社の他の製品でも同じ事だけれども、そのバージョンに合わせて仮想マシンは作成される。当然、機能追加が行われていれば、それに合わせて仮想マシンも作成される。

当然、前のバージョンでは新しいバージョンで追加された機能の事は関知出来ないわけだから、追加機能前提で作成された仮想マシンを前バージョンの環境に持っていっても動作しない可能性がある。

説明にも書いてあるけれど、iSCSI等のように共有ストレージを使用している場合で、ESXi4.xも混在しているようなケースだと、5.0で仮想マシンを作成したけれど、4.x側で動かしたいと言うケースも出てくることが予想される。

今回ESXi5は4.xに対して下位互換なので、バージョン7(4.x形式)で仮想マシンを作成しておけば、4.x・5.0両方で稼動させる事が出来仮想マシンに出来るということになる。

当然4.x形式で作成した仮想マシンは5.0での新機能は使えない可能性もある。

CPU。

ゲストOSに割り当てるCPUを設定する。

基本的にマルチソケット・マルチコアという概念と一緒。コアの総数(実ソケット数×実ソケット1つ当たりのコア数)の範囲内で任意に設定可能だから、1CPUでも2コア・4コアなら仮想ソケット2、コア1なんていう設定も出来る。

バージョン8形式の仮想マシンであれば、リアルタイムにCPU割り当てを変更できるようになったようだ。(Hot Addとかいうらしい)

もっとも、無闇に割り当てても他の仮想マシンとの兼ね合いなので、一杯割り当てれば幸せと言う事でもない(笑)。

メモリ。

仮想マシンが使用するメモリの量を指定する。

ちなみに、標準で仮想マシンを作成すると、この部分はゲストOSの種類に合わせて設定されるが、大抵「何これ?」と言う値で設定されていることが多い。

容量については必ず4の倍数で指定する必要がある。

CPUと同様、Hot Add対応の仮想マシンだと、稼働中に任意に変更できるらしい。(OS的にどうなんだろうとは思うけれど。)

SCSIコントローラ。

OSが古い場合は「BusLogic パラレル」を推奨されるそうだが、よっぽどのことがない限り「LSI Logic パラレル」を選択。

「LSI Logic パラレル」と「LSI Logic SAS」は同等らしいので、OSがSASをサポートしている場合は今後のために「LSI Logic SAS」を選択しておくと吉らしい。

# もっとも、SCSIアダプタ自体仮想ディスクをIDEにしてしまえば必須ではない。

ディスクの選択。

仮想マシンが使用する仮想ディスクについて指定する。

通常は「新規仮想ディスクを作成」を選択すれば良いが、以前作成した仮想マシンで使用していた仮想ディスクがあれば、「既存の仮想ディスクを使用」を選択することで可能となる。

「Rawデバイスのマッピング」についてはSAN上に仮想ディスクを作成する指定。個人使用だと使うことはまず無いと思うけれど。

ネットワークブートとかでディスクが必要なければ「ディスクを作成しない」を選択してもOKだろう。

ディスクの作成。

容量・プロビジョニングは基本モードと同じ。他に仮想ディスクの保存場所を指定できる。通常は「仮想マシンで保存」を選択すれば良いが、データストが複数あって他のデータストアを指定したい場合は「データストアまたはデータストアクラスターの指定」をチェックしてデータストアを指定する。

詳細オプション。

詳細オプションは仮想ディスクに対するもの。

仮想デバイスノードは仮想ディスクをどのバス(SCSI or IDE)に接続するかの指定。CD/DVDデバイスはIDE接続になるので、ここのオプションで仮想ディスクをIDE接続にしてしまえばSCSIデバイスを削除しても問題ない。

スナップショットはある時点の仮想マシンの状態を保存しておく機能。スナップショットを取っておけば仮想マシン上で何かを変更(アプリケーションのインストールとか)しても、スナップショットがあればその時点の状態まで戻す事が出来る。

モード設定で独立型に設定すると、スナップショットの対象外となる(=該当仮想ディスクのスナップショットは取れない)。

独立型 – 通常では仮想ディスクへの書き込みがリアルタイムで行われる。一方、独立型 – 読み取り専用とすると、仮想ディスクへの書き込みは一時的なもので、仮想マシンをパワーオフ状態にすると起動直後の状態に戻ると言うものらしい。

独立型への変更はOSインストール後でも可能なので、評価等で何かを行った後に元に戻す必要がある環境なら、環境を作りこんでから読み取り専用に切り替えれば、スナップショットを取り忘れて元に戻せないと言う事も無くなるかもしれない。

長くなったので仮想マシン設定の編集についてはまた別のエントリーで。


コメント

タイトルとURLをコピーしました