面倒くさいけれども入った。
最新のxcodeを動かしたいだけなのに。しくしく。
※ 2015.02.02 アップデートについて追記
手順はMacRumors.comの「2006/2007 Mac Pro (1,1/2,1) and OS X Yosemite」のとおり。
Chameleon Installerを使ったやり方もあるようだけれども、こっちはうまくいかなかったのでパス。
Yosemiteインストーラの入手
何が面倒くさいって、初代MacPROなせいで、そのままだとYosemiteのインストーラが入手できない。
というのも、こいつに導入可能なOS XはLionまで。一方Yosemiteを入手するにはMountain Lionで無いと駄目。
という事は、Mountain Lionが動作する環境を一時的にでも作らないといけないという事になる訳です。
仕方が無いので、「Mac使いの備忘録」さんの「初代MacPro 2006にMountain Lionをインストール」を参考にMountain Lionが動く環境を構築して回避。
Yosemiteインストールの前提
前提というか個人的な環境
- MacPROのファームウェアは2.1まで上げてある
- メモリは9GBに増設済み
- グラフィックカードはPC用HD5770をEFI化
- 今後のためにLion環境を80GBのHDD上に構築して作業はここで行う
- Yosemiteは2TBのHDDへ新規インストール
- 使っているマウスは2ボタンのPC用USBマウス
という感じ。
必要な物
- Yosemiteインストーラ
- 容量8GB以上のUSBメモリ
- boot.efi(背景グレー版・背景ブラック版)
- FlatPackage Editor
- Pacifist
- XtraFinderのような不可視属性ファイルが見えるようになるアプリ(ターミナルからも操作可能)
インストーラ用USBメモリの作成
XtraFinderのような不可視属性ファイルが見えるようなアプリ等をつかって不可視属性ファイルが見えるようにしておきます。ターミナルで操作する場合のやり方は手順に書いてありますのでそちらを参考に。
USBメモリをMacにセットしてディスクユーティリティを立ち上げます。
USBメモリを「Mac OS拡張+GUID」で初期化しておきます。名称は何でも構いませんがとりあえず「Installer」としておきました。
次にYosemiteインストーラのファイルを右クリックして「パッケージの内容を表示する」を選択して、インストーラの中身を表示させます。
表示されたら、「Contents/SharedSupport」フォルダに移動すると
のように2つのファイルがあるはずです。このうち「InstallESD.dmg」をダブルクリックしてマウントします。
「InstallESD.dmg」がマウントされると
のように中が表示されます。このファイルのうち「BaseSystem.dmg」をUSBメモリに復元します。
再度ディスクユーティリティ上で
「復元」タブを選択、ソースに「BaseSystem.dmg」(ファイルををドロップ)、復元先に左ペインのリストにある「Installer」をドロップして「復元」ボタンをクリック。
置き換えを確認されるので、「消去」ボタンをクリック。パスワードを要求されたらお使いのパスワードを入力します。
復元が終了するとUSBメモリの名称が「OS X Base System」のように変更されるので元に戻しておきます。
USBメモリの「/System/Installation」フォルダに移動すると
これを削除した上で、「InstallESD.dmg」の中にある「Packages」フォルダ
を同じ場所にコピーします。
同じく「InstallESD.dmg」にある「BaseSystem.dmg」と「BaseSystem.chunklist」をUSBメモリのルート(直下)にコピーします。
これで、Yosemiteインストーラから必要なファイルがUSBメモリにコピーされました。
boot.efiの置き換え
USBメモリ上のboot.efiを、手順書にあるURLより取得したboot.efiに置き換えます。
ちなみに、LionのSafariだと該当URLからダウンロードできないので、別途Firefoxなどのブラウザ経由でダウンロードしてください。
また、背景グレー版、背景ブラック版は背景の色が異なるだけだそうですので、お好みの方を使用して構いません。
置き換えるboot.efiはUSBメモリの
- /System/Library/CoreServices
- /usr/standalone/i386
にあるものとなります。
このうち「/System/Library/CoreServices」にあるboot.efiは
このようにロックが掛かっていますので、先にchflagsコマンドを使ってフラグを落とします。
ターミナルを起動したら
sudo chflags nouchg
と入力した後、boot.efiの場所をフルパスで入力しますが、boot.efiをドロップしてあげれば、boot.efiのフルパスが入力されます。
sudo chflags nouchg /Volumes/Installer/System/Library/CoreServices/boot.efi
手入力ならこんな感じになります。
パスワードを聞かれたらお使いのパスワードを入力してください。
ロックが外れると
このようになりますので、入手したboot.efiに置き換え、再度ロックを掛けます。
sudo chflags uchg /Volumes/Installer/System/Library/CoreServices/boot.efi
「/usr/standalone/i386」にあるboot.efiはそのまま置き換えます。間違ってもロックは掛けないでください。掛けてしまうとインストール作業中に「BaseSystemResources.pkgの展開中にエラーが発生しました」のようなエラーが出ました。
Kernelファイルのインストール
USBメモリの「/System/Library」フォルダに「Kernels」という名称でフォルダを作成します。
次にUSBメモリの「/System/Installation/Packages」フォルダにある「Essentials.pkg」の中から「kernel」ファイルを抜き出してコピーします。
Essensials.pkgの展開はpacifistアプリを使用します。
Pacifistが起動したら、「Open Package」を選択します。
ファイル選択で「/System/Installation/Packages/Essensials.pkg」を選択したら「Open」ボタンをクリック。
展開には少し時間が掛かります。
展開が終わったら「/System/Library/Kernels」にあるkernelファイルをUSBメモリの「/System/Library/Kernels」フォルダにコピーします。
展開するかどうか聞かれるので「Extract」ボタンをクリックします。
パスワードを聞かれたらお使いのパスワードを入力します。
展開には少し時間が掛かります。
USBメモリの「/System/Library/Kernels」フォルダにkernelファイルがコピーされれればOKです。
OSInstall.mpkgの修正
mpkgファイルの修正はFlat Package Editorを使用します。
まずは、「System/Installation/Packages」フォルダにある「OSInstall.mpkg」をデスクトップ辺りにコピーし、それをFlat Package Editorでファイルを開きます。
開くと「OSInstall.mpkg」ファイルの中身が表示されます。
中に「Distribution」という項目があるので、これを選択してデスクトップにドロップします。
デスクトップ上に「Distribution」というファイルが作成されるので、これをテキストエディットアプリで開きます。
この時テキストエディットアプリの環境設定で「スマート引用符」にチェックが入っていない事を確認してください。
テキストエディットアプリで「Distribution」の中が表示されたら
var platformSupportValues=[
のような部分を探してリストの最後にボード番号「”Mac-F4208DC8″,”Mac-F4208DA9″」を追記します。
うちの場合、リストの最後は
"Mac-F2218EC8"];
のような形になっているので
"Mac-F2218EC8","Mac-F4208DC8","Mac-F4208DA9"];
のように追記しました。
ちなみに、お使いのMacのボード番号を調べるにはioregコマンドを使うと確認できるそうです。具体的にはターミナルから
ioreg -lp IOService | grep board-id
のように入力して表示された文字列がボード番号です。
追記できたら、セーブしてテキストエディットアプリを終了します。
再度Flat Package Editorに戻り、リスト上の「Distribution」を選択してウィンドウ上部にある「Delete」をクリックします。
mpkg上から元の「Distribution」が削除されたので、先程編集したデスクトップ上の「Distribution」ファイルをFlat Package Editorのウィンドウ上にドロップします。
Flat Package Editorメニューからセーブすると、デスクトップ上にコピーした「OSInstalle.mpkg」が修正されますので、このファイルをUSBメモリの元の「OSInstalle.mpkg」(System/Installation/Packages)と置き換えます。
InstallableMachines.plistの修正
USBメモリの「/System/Installation/Packages」に「InstallableMachines.plist」ファイルがあるので、これをテキストエディットアプリで開きます。
「InstallableMachines.plist」を開くと、中に「<string>~</string>」のような記述がずらずらと並んでいますので、他の部分と同様に「Mac-F4208DC8」と「Mac-F4208DA9」を追記してください。
PlatformSupport.plistの修正
次にUSBメモリの「/System/Library/CoreServices」にある「PlatformSupport.plist」をテキストエディットアプリで開きます。
このファイルの中には「SupportedBoardIds」という項目と「SupportedModelProperties」の二つの項目があり、「SupportedBoardIds」にはボード番号、「SupportedModelProperties」にはモデル名を記してあります。
従って、「SupportedBoardIds」には「InstallableMachines.plist」と同様に「Mac-F4208DC8」と「Mac-F4208DA9」を追記、「SupportedModelProperties」には「MacPro1,1」と「MacPro2,1」を追記します。
注意
上記3ファイルの修正がうまくいかないと、インストール作業時に「既にインストール済み」のように表示され、インストールが出来ません。
同様の症状が起きた場合は上記3ファイルの修正部分を確認してみてください。
Yosemiteのインストール
これでインストール用USBメモリが出来ました。
手順では起動時の起動ディスク選択でUSBメモリを選択せよとなっているのですが、うちのMacPROはPC用HD5770をEFI化したものなので、それがかないません。
ですので、システム環境設定の起動ディスクからUSBメモリに起動設定を変更した上でインストールを行いました。
画像のシリアル部分を加工したので変な画像になっていますけれども(つかMac側で加工すればよかったのか?)、きちんとインストール完了。
10.10.1にもアップデートOKです。
※アップデートする前に「インストール後のアップデートに関する注意」を参照。
最後に
とりあえず、初代でもYosemiteがインストール出来たので、MacPROネタはとりあえずお終い。
まぁ、こんな話もあるみたいなので、ちょっと怖いのですが(汗)。
インストール後のアップデートに関する注意
本手順でYosemiteをインストール後、10.10.2へアップデートすると起動不能になるそうです。
別エントリーで回避策を説明していますので参照してください。
コメント
とても詳細で丁寧な記事をありがとうございました。
おかげで初代MacProでYosemiteが動きました。
ビデオカードを今後何を選択するか悩みたいと思います。
これからも良い記事を是非お願いします!
Yosemiteのアップデートをかけたら起動できなくなった模様です。
回避方法があるといいな!
コメントありがとうございます>Yosemiteさん
10.10.2へのアップデート後起動しなくなる件は、boot.efiが上書きされてしまうために起こるらしいのですが、MacRumosの該当記事に回避策が書かれているようですので、参照してみてください。
こちらでも時間が取れ次第確認して追記します。
[…] MacPro A1186(2006) – OS X 10.10 Yosemiteから10.10.2へのアップデート以前、「MacPro A1186(2006) – OS X 10.10 Yosemite」で初代MacProにYosemiteをインストールする方法を記事にしましたが、10.10.2へアッ […]
10.10.2アップデートで起動不能になる件について、回避策を別エントリーに記載しましたので、参照ください。
[…] 「MacPro A1186(2006) – OS X 10.10 Yosemite」で10.10インストーラを改変して初代MacPro(2006)にYosemiteをインストールする方法を記載したのですが、最近App Storeから取得できるYosemiteインストーラは […]