FreeBSDインストール – その1でFreeBSDの必要なファイル群がインストールされました。
次に、OSの動作に必要な設定を行う訳ですが、ファイルのインストール終了後に表示される「User Confirmation Requested」で「Yes」を選択する事で「FreeBSD Configuration Menu」が表示されます。
色々と設定を行えるのですが、設定自体は後からsysinstallを起動して行うことも出来ますし、設定ファイル等を修正しても行う事が出来ますので、あわてずに必要最低限の部分を行いましょう。
最初に「Time Zone」の設定を行います。
FreeBSD Configuration Menuから「Time Zone」を選択してスペースキーを押します。すると次のようなメッセージが表示されます。
これは何かというと、システム(パソコン)には内蔵されたクロックがあるのはご存知だと思います。BIOSから設定できるあれのことです。
上記のメッセージは、そのクロックの時刻設定が世界標準時になっているかどうかを聞いているのです。一般的に内臓クロックの時刻はお住まいの場所の時刻を設定している事が普通でしょうから、ここでは「No」を選択してスペースキーを押してください。
次にお住まいのエリアを問い合わせてきます。
日本は一応「Asia」に含まれますから、「Asia」を選択してスペースキーを押します。
次に国の選択を行います。
「Japan」を選択してスペースキーを押します。
国の略語が”JST”で良いかどうか問い合わせてきますので、「Yes」を選択してスペースキーを押します。
FreeBSD Configuration Menuに戻りますので、次に「Networking」を選択してスペースキーを押します。
Network Service Menuはネットワーク回りの設定を行うメニューです。
まずはインターフェイスの設定を行うために「Interfaces」を選択してスペースキーを押します。
まずは、どのネットワークカード(インターフェイス)の設定を行うかを選択します。
FreeBSDが認識できているインターフェイスの一覧が表示されるので、設定を行うインターフェイスを選んでスペースキーを押します。
今回はVMWareのゲスト上はAMDチップのネットワークカード(VMWareのデフォルトのもの)が認識されていますので、これに対して設定を行います。実機の場合は実際に使用するインターフェイスを選択してください。
今回はFreeBSDが認識するタイプのネットワークカードでしたので問題は発生しませんが、ドライバが無いなどの理由でFreeBSDで認識できず、一覧に表示されない場合があります。FreeBSDに対応しているハードウェアはFreeBSDハンドブック – 2.3章に記載がありますので、インストールするマシンの機器がどのようなものなのか予め確認しておいてください。
記載が無い機器でも、メーカが独自にドライバを配布しているケースもありますし、ソースコードを弄る事で対応できるケースもあるので、認識しないからといって必ずしも使用できないとは限りませんが、手間がかかることは間違いが無いので、可能な限り対応している機材を使用するのがベストだと思います。
インターフェイスを選択すると、IPv6を使用する設定にするかどうかを問い合わせてきます。
使用するということであれば「Yes」を選択、しないのであれば「No」を選択してスペースキーを押してください。今回はNoを選択してIPv4のみとします。
次に、インターフェイスに対してDHCPでネットワーク設定を行うかどうかを問い合わせてきます。
ルータ等のDHCPを使用してインターフェイスにIPアドレスなどの設定を行うのであれば「Yes」を選択すればいいのですが、サーバ用途で使用する場合インターフェイスのIPアドレスが変わるのはよろしくないので、「No」を選択してください。
次に、インターフェイスの詳細な設定を行う画面が表示されます。
操作は、Tabキーを押す毎に設定項目を移動できます。
設定できる内容は次の通りになります。
- Host(ホスト名)
そのマシンの名称です。 - Domain(ドメイン名)
そのマシンが所属するドメインを設定します。 - IPv4 Gateway
インターネットに接続する機器のIPアドレスを設定します。通常はルータのIPアドレスを設定します。 - Name server
DNSサーバのIPアドレスを設定します。 - IPv4 Address
マシンのIPアドレスを設定します。 - Netmask
マシンが接続されるネットワークのネットマスクを設定します。 - Extra options to ifconfig (usually empty)
インターフェイスに対するオプションを設定します。(通常は未設定でOK)
設定の内容は構築する(されている)ネットワークの状況によって異なります。
今回はとりあえず外部公開用のサーバを構築する前準備とし、LAN環境からインターネットに接続して最新のソースコードの取得や、Ports Collectionを使用してアプリケーションをインストール出来ることを前提に設定を進めます。(公開用の設定は準備が整った後で行います)
まず、LAN環境は192.168.1.0/24で、ルータのLAN側IPアドレスを192.168.1.1になっているものとします。将来的にはマシン上でDNSも動かす事を前提としますが、今の段階ではDNSが動作していないので、ルータの簡易DNS機能を使用してみます。プロバイダで指定されているDNSサーバのIPアドレスを使用してもいいのですが、ルータでもその情報を持っているので結局同じことですし。
まず、ホスト名とドメイン名ですが、そのマシンのFQDNは「Host.Domain」になります。
例えば、Hostに「test」、Domainに「example.jp」と設定すれば、そのマシンのFQDNは「test.example.jp」ということになります。
現時点では該当マシンの情報はどこにも無いので、Hostのみ入力しておき、Domainは空白のままにしておきます。
IPv4 Gatewayはルータのアドレスを入力します。今回のLAN環境のルータのアドレス192.168.1.1を設定しました。
Name serverはルータの簡易DNS機能を使用するので、ルータと同じ192.168.1.1を設定します。プロバイダのDNSを使用する場合は、プライマリDNSのアドレスを設定すれば良いでしょう。
IPv4 Addressは該当マシンのIPアドレスになります。今回はLAN内で使用していない192.168.1.199を設定、LANのネットワークは192.168.1.0/24ですので、Netmaskは255.255.255.0に設定します。
これらの設定が終わったら「OK」に移動して情報を確定させます。
設定内容を反映してインターフェイスを有効にするかどうか問い合わせがありますが、現時点で有効にする必要はないので「No」を選択します。「Yes」を選択して有効化してもいいのですが、設定終了後再起動しますし、たまにハングアップするケースがあるので、おいらはいつも「No」を選択しています。
次に、inetdを有効化します。
inetdはネットワークのポートを監視するスーパーデーモンで、常時起動していなくても良いサービス(FTPとかPOPとか)をこinetdを介して起動させることで、それらを常時起動させておく必要がないというメリットがあります。
スペースを押して選択すると、inetdの概略が表示され有効化するかどうか問い合わせされます。
スペースを押して有効化すると、次にinetdの設定ファイル、「inetd.conf」を編集するかどうか問い合わせてきます。
現時点で編集する必要は無いので、「No」を選択してスペースキーを押してください。
次に、Ntpdateを適用しましょう。Ntpdateは時刻合わせ用のサービスです。
Ntpdateを選択すると、時刻を問い合わせるサーバを選択するメニューが表示されます。
例によって日本国内の問合せ先を選択します。
後は必要に応じて、各サービスを選択してください。おいらはrpcbind・sshdを有効化しました。
とりあえず最小限の設定はこれでおしまいです。各メニューの一番上にある「<<< X Exit」を選択して行き「sysinstall Main Menu」まで戻ってください。
sysinstall Main Menuまで戻ったら、Tabキーを押してsysinstall Main Menu上にある「X Exit Install」を選択してリターンキーを押します。
Exit Installを選択するとsysinstallを終了して再起動するかどうか問い合わせてきます。
「Yes」を選択してスペースキーを押します。メディアを抜いてくださいとメッセージが表示されますので、メディアをドライブから取り出して、リターンキーを押してください。
この後、マシンが再起動します。今回BootMgrをインストールしているので、起動後すぐにブートメニューが表示されます。
そのままでも次のステップに進むはずですが、とりあえずリターンキーを押してください。次回以降は自動で次のステップに進むはずです。
次に、FreeBSDの起動メニューが表示されます。
一定時間経過後に自動でFreeBSDが起動されますが、リターンキーを押す事で次のステップに進みます。
起動寸前のところでメッセージが表示され、少し固まった感じになります。
上記画像の下4行部分。これは、FreeBSD標準でインストールされるSendmailのメッセージです。
SendamilはFreeBSDの起動時に自動でスタートします。その時にマシンの設定にしたがって自分自身をDNSに問い合わせするのですが、設定した情報ではDNSが引けないので(testなんてFQDNになっているので、引ける訳が無いのです)暫くリトライしてしまうのです。
こればっかりはしょうがないので、お茶でも飲んで一息どうぞ。
画面上に「login :」のプロンプトが表示されれば起動終了です。「root」と入力してリターンキーを押してください。
「FreeBSD 8.0-RC1 (GENERIC)~」とWelcomeメッセージが表示され「test #」のようなプロンプトが表示されていますね。
以上でFreeBSDのインストールは終了です。お疲れ様でした。
如何でしたか?。難しいですか?(笑)。ただ、Linuxの色々なディストリビューションと比較しても、作業量的にはそれ程多くはないと思うのですが。
CUI+英語という環境ですからとっつきにくいとは思いますが、中身が判ってしまえば却ってサクサクっとインストールできるようになると思いますよ。小金丸さんがインストーラの日本語化をされていますので、そちらを利用させていただく事も出来ますが、手順的に一手間掛かる事になりますから、英語環境でインストールできるようにしておく方が幸せになれるかもしれません。
という訳で、ずらずら書きなぐりましたが、嘘とかおかしい部分があればご指摘くださいませ。
少し間が空くかもしれませんが、次はstableの追っかけ方とやports Collectionの利用の仕方などと思っています。
[adrotate group=”1″]
コメント